年金を充実
させるために
ゆいの画像
Q.11
年金制度を支えるために、現役世代はもっと働かなきゃいけないの?
日曜日の自宅にて出かけるお母さんに話しかけるゆいちゃん
ふぁ~
お母さん日曜なのに仕事なの?
そうそう
今日は休みだったんだけど急にシフトが入ったのよ~
お父さんもいるから一緒に家のこといろいろやっておいてね
え~!
せっかくの休みなのに!!
財政検証のシミュレーションでより多くの人が働いて
経済を成長させることが重要だって分かったけど…
なんかね~
どうしたニャン?
それって年金制度を支えるために現役世代がもっと働け!
…って言われているようで納得がいかなくてさ!
ゆいちゃんもっとよく考えるニャ
どういうこと?
ゆいちゃんの家に遊びに来ていたひなちゃんの声が聞こえる
ゆいちゃ~ん
あれ
ひなちゃんいたの!?
ねぇお父さん
お兄ちゃんたちは?
たまには夫婦でデートしたいから預かってって言われてな…
ほら母さんは今日仕事だしな
じゃあネコの手も借りないとね~
ひなちゃーん
ミーコほんとにしゃべれるんだ~
ゆいはまた『年金、年金』とかいって急に勉強しだして
どういう風の吹き回しだ?
もしかしてお父さんの年金を計算して
ちょっともらおうとか思ってないだろうな?
別にお父さんの年金なんかあてにしてないし!
むしろ私が払った保険料でお父さんの年金を
支えることになるんだからね~
まあそーだけど…
ゆいちゃんがおじいちゃんを支えるの?
じゃあひなはパパやママを支えるの?
え
ひなちゃんが大人になる頃は私もひなちゃんのパパも
まだ働いていると思うけど…
もし早くお仕事辞めちゃったらひなちゃんたちが
大変になっちゃうね
長く働くことはより若い世代と一緒に
高齢化した社会を支えていくためにも重要なんだニャ
ユイちゃんが65歳になるころ65歳の余命は今より
約3年延びる見通しだニャ
そんななか働く期間を変えずに延びた3年間を
全て年金で暮らすようになるとどうしても年金の
給付水準は下がってしまうニャン
前に保険料水準を固定しているという話をしたのを
覚えてるかニャン?
まず保険料率の上限を決めたニャン
※詳しくは7話を参照
賃金の18.3%が保険料として集められて
年金に充てられているんだよね
そうだニャン
そこで日本経済をひとつの「パイ」に見立てて
その1ピースを公的年金として考えてみるニャン
パイ?
賃金の18.3%を保険料として集めるということは
社会全体で見ると日本経済全体の総賃金『パイ』の
18.3%が年金に充てられていることになるニャン
つまり保険料を固定するってことは年金に振り分けるパイの
割合は1ピース分で変わらず高齢化が進んでも若い世代の
負担はこれ以上増えない!ということになるニャン
でもそれだと若い世代の負担は増えないかもだけど
寿命が延びて高齢者が増えると1人当たりのパイの
大きさは小さくなるんだよね?
ということは年金の給付水準が下がるのは避けられないのか…
いやそうとは限らないニャ!
これまでより働く人が増えて日本経済が
成長すればそもそものパイのサイズが大きくなるニャン
そうすれば切り分けられる公的年金(ピース)も大きくなるニャン
要はMサイズの1ピースよりLサイズの1ピースの方が
大きくなるってこと!?
そうだニャ~!!
そういえば\将来は所得代替率が下がる/
…ってミーコが言ってたけど…
それって私たちが高齢者になったときの年金は
現役世代のこの子たちの収入に比べると
だいぶ少なくなっちゃうってことだよね
おじいちゃんおばあちゃんが孫に何か買って
あげることとかもできなくなっちゃうのかな…
だいぶ少なくなっちゃうってことだよね
それは働く期間が今と変わらない場合だニャ!
あ…
長く働くようになれば年金を充実させることができるということね!
そうだニャ
長く働き長く年金の保険料を納めれば
その分自分の年金も増やすことが可能だニャ
そっか
寿命が延びた分働く期間も長くすれば
パイが大きくなるってことなんだね
そうだニャ~!
要するにパイの大きさが変わらなかったら高齢化が進むと
高齢者1人当たりのパイの大きさは小さくなるけど
長く働き働く人を増やしていければこのパイのサイズを
大きくすることができるニャン
なるほどね~
小さなパイを分け合うのでなくパイを大きくして
分け合えば年金を充実させられるってことね!
そして『年金の繰り下げ受給』も活用すれば自分自身の
年金を充実させることができるニャン
繰り下げ受給?
●年金の受給開始年齢は原則65歳だが、最大75歳(2021年度までは70歳)まで
繰り下げることもできる
●65歳に達した月から1カ月繰り下げるごとに、受給額が0.7%ずつ増額
●75歳まで繰り下げると受給額は最大で84%の増額
※繰下げ受給及び繰上げ受給については『世代別解説 50~60代のみなさんへ』を参照
でも75歳まで働くのはさすがに無理かも…
そこまで長く働かなくても大丈夫ニャ
財政検証でも試算しているけど長く働いて、60代後半まで
受給開始を遅らせれば今より高い所得代替率を確保できる
見通しだニャ
※詳しくはマンガ下部『長く働くことによる年金額への効果』を参照
お母さんも60歳過ぎてもまだ元気に働いてるし
私も60歳過ぎても働けるかも!
そうしたらひなちゃんの子どもにも何か欲しいものを買
ってあげられるかなあ
それなら長生きする楽しみが増えるかも!
長生きしてたくさんオモチャ買ってね
ハハ…
A.11
寿命が伸びるなか、より多くの人が長く働ける社会を作れば、将来の自分たちの年金を充実させることができる。